エフェクターボード組み込み ~Free The Tone ARC-53M / Ovaltone OD-FIVE 2 Xtreme / Strymon Timeline~



Free The Tone ARC-53MやOvaltone OD-FIVE 2 Xtremeを使用したエフェクターボードの組み込み

本日ご紹介するシステムは、スイッチャーによって複数のコンパクトペダルのON/OFFやエフェクターのチャンネル切り替え、エフェクターのMIDI制御を1アクションで行えるようにしたシステムです。

[ 完成までに解決したい基本的な事]


  • スイッチャーのARC-53Mが5ループなのに対して、制御したいエフェクターは6台なのでどうするか?
  • Ovaltone OD-FIVE 2 Xtremeは2チャンネルあるが、スイッチャーでプログラムできるのか?それともエフェクターのフットスイッチで切り替えないといけない?
  • 9VDCや12VDC、アナログエフェクターやデジタルエフェクター、など色々なエフェクターが混在している中で、パワーサプライをどのようにまとめるか?
などが考えられます。それでは、順々に見ていきましょう!


[ ルーティングを考えてみる ]

それでは、まずはルーティング(信号の流れ)をご覧ください。

ギター

Free The Tone JB-21 SIGNAL JUNCTION BOX (インターフェース)

Free The Tone ARC-53M(スイッチャー)
・Loop1 : MXR M76 Studio Compressor
・Loop2 : Landgraff Dynamic Overdrive
・Loop3 : Ovaltone OD-FIVE 2 Xtreme
・Loop4 : Ovaltone Q.O.O.
・Loop5 : Strymon blue Sky
・Tuner Out : t.c.electronic Polytune

Strymon Timeline

Free The Tone JB-21 SIGNAL JUNCTION BOX (インターフェース)

アンプ

ルーティングは王道ですね。コンプ→歪→空間系の順です。歪みエフェクターが複数あり同時に使うような場合は、歪みエフェクターの順番もしっかりと考えたいですね。

「そういうこと、考えたこともなかった。」という場合でも、遠慮なくご相談下さいませ。どうすると使い勝手が良いか一緒に考えましょう!


[ 5ループのスイッチャーで6台のエフェクターを制御するには? ]

切り替えたいペダルは6個、ARC-53Mは5ループですので、通常であれば1つのペダルがスイッチャーでON/OFF制御出来なくなるところですが、このボードではスイッチャーに入っていないTimelineも、MIDIを使うことでON/OFF出来るようにしています。

MIDIというと使い方が難しそうに感じられる方もいらっしゃいますが、当店でシステム構築を行う場合は出来る限り使いやすいよう事前にセットアップしています。完成時にも、使い方の説明やわからない言葉の説明も行っていますので、みなさんご安心頂けているご様子です。

今回の場合、実際に使用する時は、他のコンパクトペダルをON/OFFするように、ミニスイッチを押すだけでTimelineをON/OFF出来るようにしています。
TimelineのON/OFFはCSW(CC NUMBER)スイッチ1に割当て。

[ プリセットの内容はどうするか? ]

また、お客様とご相談し、ARC-53Mのプリセットを切り替えれば、それに合わせてTimelineのプリセットも切り替わるようにセットアップしました。

ですので、

ARC-53Mのプリセット1では、「MXR M76 Studio CompressorのみでTimeline(オフ)」
ARC-53Mのプリセット2では、「Landgraff Dynamic Overdrive+Timeline(ショートディレイ)」
ARC-53Mのプリセット3では、「Ovaltone Q.O.O.+Timeline(ロングディレイ)」

といったように、コンパクトエフェクターのON/OFFとディレイのプリセット切替えが1アクションで行えます。もちろん、他のエフェクターのオンオフを加えても1アクションで切り替えられます。

このシステムではARC-53Mのプリセット毎にOvaltone OD-FIVE 2 Xtremeのチャンネルもプリセット出来るように組み込んでいます。

[ Ovaltone OD-FIVE 2 Xtremeのチャンネル切り替え ]

今回組み込んだOvaltone OD-FIVE 2 Xtremeは2チャンネル仕様でフットスイッチによるオン・オフだけでなく、ラッチコントロールでのチャンネル切り替えが行えます。つまり、チャンネル切り替えをARC-53Mでプリセットできることになります。この機能を持っているエフェクターは少なく、とても便利な機能ですがSuhr Riot ReloadedやSuhr Koko Boostなど極少数のエフェクターでしか対応していません。スイッチャーでシステムを組む時はとても便利な機能なので、いろんなブランドで採用してほしいですね。プログラムスイッチャーを使っていても、Xotic AC Plusなどのエフェクターだと、スイッチャーで制御できないので直接踏むことになります。そういう場合は、改造してラッチコントロールで制御可能なエフェクターもあります。

[ パワーサプライはFree The Tone PT-1Dを中心に! ]


続いて電源周りです。当店でシステムを組み込む時、電源周りは「電源ケーブルを一本差せば、セットアップ完了」が出来るように組み込んでいます。

今回は、お客様の要望に合わせて、電源にFree The Tone PT-1Dを使用し、アダプター類をまとめました。

電源周りは、システムにノイズを発生させる原因になりやすい部分ですので、特に気を使って組み込んでいます。

使用する電源によって症状は様々で、WahやFUZZを繋ぐと大きなノイズが出るものもあれば、電源とペダルの位置関係によってノイズが出るもの、電源自体がノイズを多く持っている物などもあり、エフェクターとの組み合わせも相まって色々な事が起きます。

当店では、過去に組み込んだシステムのデータやいろいろな実験・検証データをもっています。それらを元にしつつ、実際に組み込むペダル一台一台のノイズをチェックし、電源との相性、位置関係、使いやすさ等をトータルで考えてご提案や組み込みを行っています。


 

[ 一人一人違う使い勝手を考える ]

その他にも、基本的な使い勝手の部分として、strymon Timelineのタップスイッチを踏みやすいようにFree The Tone ARC-53Mとのスペースに余裕をとっていますし、strymon blueskyは、Favarite Switchを踏むことを考えて底上げをしています(pedaltrainの傾斜では不十分です)。底上げはミリ単位で調整可能な為、お好みに合わせて調整させて頂くことが可能です!今後のシステム変更のことを考えて細かい部分も考慮して組み込んでいます。特に「今後どう使っていくか?」という部分が重要なので、いろいろヒアリングを行い組み込みを行います。

ノイズが気になっている方、より使いやすく変更したい方、もっともっとサウンドの良さを追求したい方など、ぜひ一度ご相談下さい。詳しくはシステム構築のページにてご覧いただけます。