フレットのキズ修正&PU交換 ~ Lollar Pickups P-90&Special-T編 ~
フレットのキズ修正後 |
PU交換後 |
フレットのキズ修正前 |
PU交換をご希望でご来店頂いたお客様です。
全体像がないですが、バッカスのギターです。元々、フロントにはオープンタイプのハムバッカーが
搭載されていて、リアは普通のテレ用が搭載されていました。
現状ではフロントしか使わず、リアはまったく使っていないとのことでした。理由を聞いてみると、
使いにくい音とのことでした。試しに弾かせていただくと、確かに音がこもっていて、テレキャスター
ブリッジピックアップ独特のブライトな音ではなかったです。
好みを聞いたり、P-90やハムバッカーが搭載されているギターを弾いてもらって、あれがいい、
これがいい・・・などいろいろ話をして最終的にフロントをLollar PickupsのP-90 Standard、リアを
Lollar Pickups Special-Tに変更することになりました。
フロントは元々ハムバッカーが付いていたので、普通だとピックガード製作が必須ですが、そうする
とトータルで結構な金額になってしまいますので、今回は通常のP-90のザグリよりも一回り大きく
加工することで対応しました。一回り大きくといっても0.5mm程度なので、見た目の違和感はなく仕上がっています。
続いて、トーンポットに指が触れただけで簡単に動いてしまうということで、ポット交換もしました。
そして最後に、写真の通り11Fを中心としてフレットに傷ができてしまい、チョーキングが困難とのこ
とで、いろいろ相談した結果、最低限のフレットすり合わせをすることでコストとパフォーマンスのバ
ランスを取ることになりました。と言っても、ちゃんと傷はなくなっていますし、弾きやすさも向上して
いるので、ベストな選択だったのではないでしょうか。今回のような傷であれば、フレット交換、フレ
ットすり合わせ、フレットすり合わせの中でも数パターン・・・、などいろいろな対応ができますし、お
客様によって、どこまで望むか、何を望むかが異なってきますので、最終的にはお客様が思い描く
最良の結果が出せるようなご提案を心がけています。当店側の都合を言えば、最も高額になるフ
レット交換をしてくれるとありがたいのですが、ごり押しや高額な方法しか提案しないということは
絶対にしないので、ご安心下さい。
リペアの時は基本的に上記のような流れで対応させていただいています。
まとめると、
1、お客様から改善したい点をお伺いします。
2、問題点を把握する為に、私が音出しします。
3、改善内容のご提案を数パターン。
4、音出しや実機・サンプルのチェック(可能な場合)。
5、1~4を繰り返す。
6、最終決定。
のような流れでいつも対応しています(もちろん例外もありますよ)。この流れで対応すると、問題
点を共通認識でき、最終的な仕上がりもイメージにかなり近く仕上げることができます。
特に”音”に関する部分は感覚が人それぞれで、同じ音を聞いても正反対の捕らえ方をする場合が
あります。そういった誤差をできるだけなくせるように意識して対応しているつもりです。
どこにリペアを出していいかわからないという方はぜひ一度当店をお試し下さい。
ギターリペアに関してはこちらにて。